【バースデー・スコープ】3月:ちょっと遅れたのは誰?

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3月22日生まれのSさんは、もの静かな男性プランナー。
たまに、ぼそっとつぶやいたと思ったら、ドッとウケをかっさらう、チームの人気者です。

「たいへん申し訳がないんだけど、誕生日のこと、あまり覚えていなくて…。春休みだったので、学校の友達から祝ってもらった記憶もないし。ただ、親にお願いしたものがもらえず悲しかったのは覚えています。欲しかったのはファミコンなのに、もらったのは天体望遠鏡、みたいな。親が好きなもの、例えば本はいつでも買ってもらえたのに、僕が欲しいと思ったものはなかなか買ってもらえなかったですね。
誕生日より、クリスマスの方が記憶に残っているかも。朝起きたら枕元にプレゼントじゃなく“ちょっと遅れます。”という手紙が置いてあったことがありました。ゲームボーイをお願いしていたのですが、予約殺到でゲットできなかったそうで。あとあとになってから知ったことだけど、手紙は親がわざわざいとこのおばさんに頼んで書いてもらったらしい。子供の目に親の筆跡なんてわからないのにね。あ、サンタが親だと気付いたのはいつ頃だったかな。」
お子さんをおもうご両親の愛情が感じられるお話しですね。

「20代の頃、友達がサプライズで計画してくれた誕生日パーティーに行けなかったことがありまして。分からなかったんです、本気で。だから他の用事を優先してしまって。誕生日に思い入れがないわけじゃないんですが、一時的だとしても中心的な存在になるのがあまり好きじゃないんですよね、恥ずかしくて。僕はとなりの席の人から“おめでとう”と言われて、“ありがとう”と答えるくらいミニマムな方が好きですね。人に誕生日を覚えてもらえるだけで十分だな、って思います。」
過度な期待はしない、控えめなSさん。Facebookの誕生日メッセージもあまり好きじゃないそう(同感)。

「これは余談ですが、“あげないとくれない”ことを知ったのは、大人になってからでした。ふたりの姉がいる僕は、もらうのが当たり前と思っていたけど、姉が親にお年賀を贈っていて“僕にはくれないの?”と聞いたところ“あんたがくれないからでしょ。”と言われ、はっとしました。子どもの頃とは違う制度に最初は戸惑いましたが、それからというもの、家族に贈り物をするようになりました。」

奥さまの誕生日には“一品豪華”なお料理を振舞うというSさん。
毎日の献立よりも、メインディッシュをじっくりと作るのが好きなクリエーター気質。
インタビューの最後の最後まで“あまり面白い話がなくて申し訳ない…”と謝っていました。

※写真は、昔打ち合わせ中に落書きしていて生まれた、その名も「わきげねこ」。
同僚のすすめもあって、キャラクター化が決定。
実家で暇すぎて作ったという、刺しぐるみを披露してもらいました。
わきげじゃない部分はふわふわの白い毛です。

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ムーンカレンダー「ミチル」とともに、
誰かの誕生日を覗き見する連載、
「バースデー・スコープ」
毎月、個性あふれるエピソードをお届けします。
「ミチル」は、月の満ち欠けをモチーフにした壁掛カレンダー。
月ごとに、季節をイメージした色をつけることによって、
めくるたびカラーパターンの美しさが各月を新鮮に彩ります。
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