皆さんこんにちは。本日は自称「世界一いや宇宙一の暗算人間」というサトルさんにお越しいただいております。サトルさんよろしくお願いします。
サトル：よろしく。（さっ）
あ、どうもご丁寧に。名刺を頂戴いたしました。早速しまっておきますね。
サトル：見なさい。
あ、これはすみません。ふむふむ。名前の上に書かれている「ファンザニスト」というのは一体何でしょうか。肩書のように見えますが。
サトル：ふふ。気づきましたか。ファンザニストとは「ファンザンをする者」という意味です。
ええ。まったくわかりません。
サトル：ファンザンとは、私が提唱しているエンターテインメント要素を取り入れた新しい暗算のことです。ファンザンはファン（Fun）と暗算を掛け合わせた新しい言葉で、暗算で世界を楽しくしようという私の思いが詰まっています！
ほう、なるほど。じゃあ早速ファンザンしましょうか。
サトル：私のファンザンは一度見たら忘れられませんよ。なんせ…
あ、もう大丈夫なのですが。
サトル：いえ、言わせてください。なんせ、私の暗算の腕を聞きつけた世界中のご夫婦がほぼ毎日安産祈願に訪れるほどです。当然、「あんざん」違いであることは承知しているのですが、私の暗算が生み出す磁場といいましょうか、ミラクルパワーとでもいいましょうか、そうしたものがきっと安産にも効くと考えた人々を吸い寄せてしまうのだと思います。
おお、そうですか。すごいですね。そこはファンザンじゃないんですね。では出題させていただきます。いきます。2万5294×5万5964はいくつでしょうか。
サトル：なるほど。ええ、大丈夫です。
すごい、ではお答えください！
サトル：大丈夫なのですが、ちょっと長くて一回で聞き取れなかったんですよ。聞き取れさえすれば答えられます。間違いなく。っていうか、普通1問目からそんな長文出します？ こっちの心の準備できてないから。最初は軽く2けたくらいかな程度の気持ちで聞いてたから。2けたの耳で聞いてたから。2けたの耳なのに急に2万とか言われたらうわーーってなるでしょ普通。
いや、2けたの耳とか言われても困りますけど、暗算の達人なんですよね？ 安産祈願来るほどの達人なんですよね？
サトル：ええ。ファンザンですけど達人です。脳はね。でも耳は準備が必要でしょ。こっちは2けたの耳だったんだから。最初に5けたの暗算ですって言われてたら5けたの耳で聞いてましたよ。
わかりました、わかりました。じゃあ、5けたの暗算です。行きますよ。
サトル：どうぞ。
では2万5294×5万5964はいくつでしょうか。
サトル：なるほど。簡単です。
おぉ！簡単ですか！ではお答えください！
サトル：ファンザンではただ普通に回答することはしません。それでは全く面白くないからです。ファンザンでは数字を語呂合わせで考えます。
語呂合わせですか。普通に答えていただいても全然かまわないのですが、語呂合わせだとどのようになるのでしょうか。
サトル：今回で言えば最初の数字が2万5294なので「双子憎し」そして後ろの数字が5万5964で「五つ子苦し」となります。ですから、答えは自ずと三つ子か四つ子がいいのではないでしょうか、ということになりますね。
はぁ。ならないんじゃないですかね。
サトル：なので私だったらこのご夫婦にはそうですね、、、四つ子をお薦めします。
いや、暗算しろや。安産の相談じゃないんだからさ。っていうか薦められても産めないでしょ四つ子なんて。
サトル：ええ。大丈夫です。
なにが大丈夫なんだよ。
サトル：答えもすでに出ています。
え？ 答えも出ているのですか？ これは失礼いたしました。では答えをお聞きします。どうぞ！
サトル：ふふふ。実は答えはもうすでに言っているのですよ。
え？ もう言っているってどういうことですか？
サトル：先ほどの会話の中にすでに出ていたということですよ。気づきませんでしたか？くくく。
ええ。まったく。で？ 早く答えてください。
サトル：まあ、じゃあ教えますよ。双子が憎い、そして五つ子が苦しいという人には三つ子か四つ子がよろしいんじゃないですか？ と言いましたよね？ つまり「三つ子四つ子よろし」で354万5464になるんですよ。
ほう！ ほう！ で？
サトル：つまり、答えは354万5464です！
なんと！ くだらない語呂合わせだと思っていましたがまさかまさか答えになっていたとは！ では正解を見てみましょう！
サトル：ザッツ・ファンザン！
正解は！……ん？ じゅ、14億1555万3416です。…え？ は？ 全然違うんですけど…。
サトル：そう、これがファンザン！ 楽しすぎて忘れられない思い出になったでしょう。Yeah！
イエーじゃねえわ！ 忘れたいわ！
司会者がサトルの名刺をすっとしまった名刺ファイルはこちら。
フェルトで温かみもあるからうれしい。ファンザン！