【バースデー・スコープ】 1月:ケーキより、普通に、ガラクタが好き

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1月26日生まれのRさんは、働き盛りの広告代理店営業マン。
大事な契約書を書くときは、親友からもらったペンで……
重要なプレゼンの日は、先輩にもらった勝負パンツで……
と、ゲン担ぎを大切にしているそうです。

「僕は正直者で、本当にうれしくないとリアクションできないタイプなんです。
昔同棲していた彼女と、そんな僕の性格を話し合ったことがあって、
結果、誕生日はプレゼントもお祝いもなし、ということになりました。
そして誕生日当日、仕事から家に帰ると、本当に何もなくて、
僕は今でもバカだったなと思うのですが、
何もなかったことに腹を立てて彼女とケンカしてしまいました。
本当は、どこかで期待してたんですよね。
さらに、当時まだmixiが流行っていて、
彼女は僕に内緒でmixiを通じて僕の友達に声をかけて、
家でサプライズパーティを開く計画をしていたんです。
ところが、友達の予定が合わなくて、誰にも来てもらえなかった。
それを泣きながら訴えられたときは、後悔でいっぱいになりました。」

気持ちの面で保険をかけておいたけれども、それが裏目に出てしまったと…。

「そんな僕も、学生時代は友達と誕生日に“ガラクタ”を贈りあうのが恒例でした。
例えば100円くらいの小さなハーモニカや、使いかけの鉛筆、アイドルの写真とか、
もらっても全然うれしくないものをあえてプレゼントしあって、
リアクションを楽しんでいたんです。でも僕、これいらねー!と思いつつ、
実はすごくうれしくて、捨てないでずっと大切に持っていたんです。
本気のプレゼントもすごくうれしいですが、
どうしても照れが出てしまってリアクションに困るから、
僕にはガラクタがちょうどいいのかもしれません。」

「どちらかというと、僕は人からもらうよりもあげたい派。
誰かへのプレゼントにはいつもこだわっていて、
ロマンチックなシチュエーションを考えたりするのも好きです。
そういえば小さい頃、母親に誕生日プレゼントを用意したのに、
結果泣いて終わった苦い思い出があります。
その日に限って仕事で夜遅く帰ってきた母は、遅くまで起きていた僕を叱ったんです。
母に褒められたくて待っていたのに、逆に怒られたことがショックで、僕は大泣きしてしまいました。
幼な心に、もう一生プレゼントなんてくれてやるかと心に誓いました。
このエピソードも、今では良い思い出です。
プレゼントは、双方の思いが一致していないと難しいのかもしれませんね。」

ちなみに、Rさんのお母さまは、この話、まったくおぼえていないとのこと。
当時の悔しさを思い出して、ふたたび腹を立てていたRさんでした。

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