これがなくては生きられない④ ―何気なく幸せを感じるもの―

「これがなくては生きられない!」・・・って、ほどでもないけど、
日常の中で何気なく幸せを感じるものにフォーカスする連載。
第五回目は、好きなモノ・コトの世界を広げる達人、
デザイナーのGさんです。
あなたの「これ生き」も、ぜひ教えてください!

①Leica R4
はじめて購入したライカのフィルムカメラです。
元々学生の頃授業でデジタルカメラはしていましたが
ウィリアム・エグルストンという写真家を知り、作品の雰囲気や
デジタルでは表現できないあたたかさがフィルムにはあると感じ
そこから興味を持ち、見よう見まねでフィルムカメラをはじめました。
安物で古いものですが、ファーストライカで思い入れも強いものです。
自分の知識が浅い事もあり、現像するまでどのように撮れているか
想像もつかない事ばかりですがそこが魅力的なところだと思います。
何気なく撮影したものが面白い写真が撮れたり、逆にブレてしまった事が
良い感じになったりといつその瞬間が訪れるかわからないので
フィルムカメラを手放せず毎日のように持ち歩いているんだと思います。

②Dr.Martens 8HOLE BOOT CHERRY RED
上京してはじめて購入した靴です。
デザインの学校に通いはじめた時から今まで5年以上履いています。
購入する前は甲本ヒロトが履いているかっこいいブーツだという憧れから
他の靴に比べ自分の中ではちょっと特別な靴という印象がありました。
購入した理由は田舎者が東京の被服の学校に行くからと当時の貧乏な自分が
ちょっと高いものを買っておこうというダサい理由ですが
当初は毎日履いて登校し、このブーツに合わせその日の服を決める事は何度もありました。
夏はスキニーに大きめのTシャツ、冬は真っ黒い服装に唯一赤いマーチン
みたいな感じで1年通してこの靴をきっかけに色々なファッションに興味を持てました。
はじめは背伸びした理由で買った靴ですが、服を選ぶ楽しさを知る事ができた一足です。
とても足に馴染んでいてボロボロになった今でも履く頻度は多いです。
そんな初心を忘れず壊れるまで履き潰したい一足です。

③The Rolling Stones
中学生の頃、このバンドのTumbling Diceという曲を初めて聴きました。
それまで、ストーンズの曲は一切聴いた事が無く、知っているのは
特徴的なベロのアイコニックロゴだけでした。
そもそも、それまで洋楽ロックバンドの曲をほとんど聴いた事が無く
Tumbling Diceを聴いた時は中学校の授業で習わない単語ばかりで
歌詞の意味なんか全く理解できませんでした。
しかし曲の音程やピアノのリズム、ギターの音がとてもかっこ良く感じ、
どんな事を歌っているのかネットで日本語訳の歌詞を調べたり
このバンドの曲が中学時代の英語の教科書そのものでした。
そしてUKロックバンドの魅力に引き込まれ他の曲を聴きあさったり
The LibertinesやSex PistolsやOasisなどのUKバンドも知りました。
毎日の通勤や休日、その日のテーマ曲みたいなものを決め、時には
日本の景色には合わない攻撃的な曲調でモチベーションを上げる事もあります。
今自分の聴いている音楽の原点はこのバンドにあり、
ストーンズがいなかったら気の合う友達との曲の話や色々な思い出は無かったと思います。