JIM：エーと、、申し訳ありマせん。記憶にありマせん。
けん：ん？ いや記憶にありませんじゃないよ。はやく教えてよ。
JIM：…記憶にありマせん。
けん：いや、あるから。記憶にないなんてことないから。
JIM：探したけれどもありマせんでシタ。本当です。
けん：いやいや、ロボットのくせに記憶にないとかないから。あるから。ロボットなんだから記憶にはあるから。
JIM：本当にワカリマセン。アリマセン。ア、ア、ありまｓん。ギ、ギ……。
けん：なに急に故障感出してんの。あるから。っていうかロボのくせに演技すんなよ。
JIM：ハァ。ワカリマシた。3229デス。
けん：ったく、早く教えればいいんだよ。3229ね。ピッピッピッピッと。ん？………あれ、エラーじゃん。おい、嘘教えんなよ。
JIM：アレ？ おかしいデスね。「悪銭ミニツク」で覚えてたんデスけど。
けん：何だその語呂。ってか機械のくせに語呂合わせで覚えんなよ。もう早く教えろって！ メモリ探れって！
JIM：デモ、メモリ探るのってめんどいデス。
けん：機械のくせに面倒くさがんな。一瞬だろ。ピのパだろ。
JIM：ヒドイ。マシーンメイトのことそんな風に思ってたんデスか？ ピのパなんてそんな簡単なものじゃないんデスよ。ピピピのパくらい大変なんデスよ。
けん：ピピピのパもだいぶ楽そうに聞こえるわ。っていうかマシーンメイトってなに？ ダサいんだけど。
JIM：マシーンメイトダサくないワ！ オシャレだワ！ シャレてるプログラムで導き出した名前だワ！ ッテいうかさっきから聞いてればロボットだの機械だの、あなたにはデリカシーというものがないんデスか！ そんな態度だからメモリ探るのイヤになってしまうんデスよ。
けん：そんなのいいから早く教えろって！ 今の状況わかってるよね！？ 後ろの行列見えてるよね！？
JIM：見えてますケド、ソレが何か？
けん：くそボロロボが！ 見えてるなら早く暗証番号教えろって！ 引くほどイラついたオーラ感じるだろ！
JIM：イイエ。そのようなオーラは検知できまセン。あとくそボロロボではアリマセン。
けん：もう！ ATMでモタついてるやつに対する怒りなめんなよ！ 早くこの場から立ち去りたいんだよ！
JIM：エ、なんて？？ 実はさっきから収音センサーの調子がワルくて聞こえづらいんデスよ。
けん：おい！ マジで頼む！ 早く教えてくれ！
JIM：けんさん、4ケタの番号くらいナゼ自分で覚えないのデスか？ っていうか、マジで覚えていないのですか？ マシーンメイトに頼りすぎて、脳みそ退化してルンじゃ、
バンッ！
JIM：ハイ、叩いてもムダデスよ。マシーンメイト痛くないデスから。むしろ自分の手のほうが痛いんじゃないデスか？
けん：くっ…。
おばさん：ちょっとあんた！ いつまでかかってんのよ！ 早くしなさいよ！
けん：あ、すみません。すぐ終わりますので。…おい！ 怒られたじゃないか！ マジで頼む！ 教えてください！
JIM：誰に頼んでるんデスか？ 機械デスか？
けん：いいえ！ マシーンメイトのJIMさんです。お願いします。僕のキャッシュカードの暗証番号教えてください！
JIM：まったく、最初からそういえばいいんデスよ。いまメモリ探りマスね。ギギギギギ……ギギギギ…ギギギ…ギギ..ギ…ポーン
けん：は？ おそっ。
JIM：…出ました。3229デス。
けん：ったく。3229ね。ピッピッピッん？？ いやこれさっきと一緒だろ！！
JIM：アレー？ おかしいデスね。さっきふざけて上書きしちゃったのカモしれません。申し訳ありマせん。
けん：いやいやうそでしょ？ うそだよね？ ごめんね。おそっとか言ってごめんね。教えて。いま本当に人生最大の危機だから。
JIM：ワカリマシタ。教えマス。でもケンさん正気デスか？ 本気の本気でワタシに番号聞きたいんデスか？
けん：正気だから！ 早く教えて！
JIM：イヤ、いいんデスけど、、だって…、ケンさんの暗証番号「1111」デスよ？ これを忘れマスか？ この世で最も単純な4ケタデスよ？もしかして 脳みそピンポン玉なのデスか？
けん：………1111ね。ピッピッピッピ
JIM：いや、マジで。軽く引いてマスよ。最初聞いタ時収音センサーを疑いマシた。まさか「1111」を聞かれるとは思っていなかったノで。
けん：………7000円でいいか。ピッピッピッと。
JIM：おーい聞いてマスか？ 「1111」すら覚えられナイ人って、逆に何なら覚えられるのデスか？
けん：………さ、帰るか。あ、おばさん、お待たせしてすみませんでした。なんせロボがポンコツなもんで。へへ。
JIM＆おばさん：ポンコツはお前だわ。
けん：やれやれ。
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